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平成29年度
医学研セミナー

中枢神経系におけるミクログリアの保護的機能

− この都医学研セミナーは終了しました。 −

演者 田中 達英
奈良県立医科大学医学部・解剖学第2講座 (講師)
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成30年2月26日(月)16:30~
世話人 三五 一憲 (糖尿病性神経障害プロジェクトリーダー)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

ミクログリアは脳内の免疫担当細胞で、脳内の細胞のうち10%ほどを占める。神経変性疾患の発現機序はそれぞれに特異な機序が想定されるが、共通する所見として、病変部位に活性化されたミクログリアの集積がみられることである。これまでは神経変性の機序として、神経細胞の機能異常による研究が主流であった。最近になり、神経細胞周囲に集積するミクログリアの活動亢進により神経細胞が死滅していくという概念が提唱されている。ミクログリアの研究は神経障害時を念頭において行なわれたものがほとんどであるのに対してミクログリアの保護的な機能に関する報告は少ない。神経細胞や神経軸索を取り巻くミエリンが傷害を受けた際のミクログリアの役割として、デブリスとなった変性軸索を貪食すること、神経栄養因子を分泌することで神経再生や再ミエリン化に積極的に寄与していることが挙げられる。また、ミクログリアは神経損傷後の神経再生や再ミエリン化だけでなく、脳の発達過程においても神経回路の構築を活発に行っている。本セミナーでは、活性化ミクログリアの組織保護的な機能に着目した我々の研究成果を報告したい。

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