HOME広報活動都医学研セミナー

平成29年度
医学研セミナー

リーラーマウスの研究からわかったこと

− この都医学研セミナーは終了しました。 −

演者 寺島 俊雄
神戸大学(名誉教授)
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成30年3月5日(月)16:00~
世話人 山形要人 (脳発達・神経再生研究分野 分野長)・岡戸晴生(神経細胞分化プロジェクトリーダー)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

リーラーマウスの原因遺伝子リーリンがコードするリーリンタンパク質は、大脳皮質ではカハール・レチウス細胞、小脳皮質では顆粒細胞、嗅球では僧帽細胞がこれを分泌する。リーリンを欠損するリーラーマウスでは大脳皮質や小脳皮質の層形成が大きく乱れ、嗅球の顆粒細胞が減少するが、本セミナーでは、演者が長年取り組んできたリーラーマウスやリーリンの下流で機能するDab1を欠損するヨタリマウスの神経系の細胞構築や神経回路網の形成異常について概説する。また従来よりリーリンと統合失調症あるいはうつ病との関係が繰り返して指摘されているが、否定的な意見も多く、リーリンと精神機能との関連性ははっきりしない。そこで前脳特異的にDab1を欠損したDab1 cKOマウスを作成し、形態学的、神経行動学的に検討した。その結果、Dab1 cKOマウスは不安行動の抑制が起こることが明らかになった。さらにリーリン・Dab1シグナル伝達系はがん細胞の転移にも関与する。これらの研究成果について紹介したい。

ページの先頭へ