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演者 |
岡村 均 京都大学大学院薬学研究科 医薬創成情報科学講座 教授 |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 平成29年5月26日(金)16:00~ |
世話人 | 原 孝彦 (生体分子先端研究分野 幹細胞プロジェクトリーダー) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
生物時は、地球の自転に対応した、生命にとって最も根源的な「時間」の仕組みであり、細胞の基本代謝の昼夜の動的平衡状態を引き起こしている。我々はPer遺伝子群の単離・分子機能解明により、全身の細胞における時計遺伝子の転写・翻訳フィードバックループが概日リズムの基であることを明らかにしてきた。さらに最近、時計遺伝子のループで産生されたリズムが、メッセンジャーRNAレベルのメチル化修飾で、そのリズム周期が調整されることを解明した。このように、生物リズムは、細胞内での転写、転写後、翻訳の多層レベルのチューニングを経て惹起されるが、哺乳類ではさらに高次の、時計中枢視交叉上核(SCN)の神経回路(ネットワーク)の統御を受けて初めて生理的意義のある生体リズムとなる。今回、細胞レベルの時計による細胞分裂・細胞のサイズの調節、また、SCNの時計による「朝」の時間の形成、時差形成機構のメカニズムを述べる。